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Coupangのロケットグロースとは?日本から使えるか、物流の選択肢を整理

この記事を書いた人髙橋 優大株式会社ハシゴロジ 代表取締役

目次
  1. 01先に整理:混同されやすい3つの仕組み
  2. 02韓国の倉庫に在庫を置くか、日本から送るか
  3. 03韓国の倉庫に在庫を置く前の確認リスト
  4. 04利益が残るかは、仮の数字で確かめる
  5. 05よくある失敗
  6. 06ハシゴロジで対応できる範囲
  7. 07よくある質問
  8. 08まとめ

「Coupangのロケットグロースを使えば、日本から韓国に早く届けられる」という話を見かけます。結論から言うと、ロケットグロースは、Coupangが保管から出荷、配送までを担う、出店者向けのフルフィルメントサービスとして韓国で紹介されているものですが、日本の事業者がどの条件で使えるかは、公式に確認が必要です。この記事では、確認できた事実とできなかったことを分けたうえで、日本から韓国で売るときの物流の選択肢と、決め方を整理します。

先に整理:混同されやすい3つの仕組み

Coupangの日本向けの話は、似た名前の仕組みが混ざりがちです。まず違いを押さえてください。

仕組み売る人在庫の持ち主日本の事業者から見た位置づけ
越境出店(グローバルマーケットプレイス)日本の事業者が自分の店で売る日本の事業者日本法人と日本の口座で出店できるとされる
ロケット海外直送(Rocket Overseas、日本商品の枠はジャパンストア)Coupangが仕入れて売るCoupang(買い取り)日本の事業者はCoupangへ卸す形
ロケットグロース出店者が自分の店で売る出店者(韓国の倉庫に預ける)日本の事業者への適用条件は未確認

越境出店:日本法人と日本の口座で出られる

Coupangが出展した展示会のページ(ディジマ)には、日本法人と日本の口座のみで出店でき、韓国法人の設立は不要であること、出店費用は0円、販売手数料は約10%であること、日本国内のフルフィルメントセンターを使った越境ECの支援があることが書かれています(出典:ディジマ 2026年東京展 Coupang出展社ページ)。同じ展示会の前年のページでは手数料が4〜10.9%と書かれていたため、料率は時期によって表記が違います。最新の条件は、Coupangのグローバルセラー向けの案内で確認してください。手数料の見方はCoupangの手数料の記事にまとめています。

ロケット海外直送:Coupangが買い取る

2024年3月、Coupangは日本での「Rocket Overseas(ロケット海外直送)」の取り扱いを発表しました。日本国内の事業者から商品をCoupangが買い取り、消費者が購入すると、Coupangの倉庫から韓国まで3日で配送する仕組みで、日本商品向けの枠として「ジャパンストア」が設けられています(出典:ECのミカタ)。自社の店で価格や広告を決めて売る越境出店とは、売り方が別物です。参加条件の詳細は、この報道には書かれていません。

ロケットグロース:韓国の出店者向けの物流サービス

ロケットグロースは、出店者が商品をCoupangの物流拠点に預け、保管、梱包、出荷、返品対応をCoupangが担う仕組みとして、韓国のセラー向けの解説で紹介されています。ただし、私たちが調べた範囲では、日本の事業者がロケットグロースを使えるか、使える場合の入庫の方法・費用・必要書類を示した公式の資料は確認できませんでした。ネット上の解説には、料率を「5〜15%」とするものや、手数料・保管料・広告費を合わせた負担を「25〜45%」とするものなど、出典が不明な数字もあり、鵜呑みにしないほうが安全です。

韓国の倉庫に在庫を置くか、日本から送るか

ロケットグロースを使えるかどうかとは別に、売れ行きの見えない時期に在庫を韓国へ先に送ること自体にリスクがある点は押さえておく必要があります。

方法在庫の置き場所向いている時期注意点
日本から小口発送日本の倉庫立ち上げ期。売れる商品を探す段階韓国国内の倉庫から送るより、届くまでの日数がかかる
韓国の倉庫にまとめて納品韓国の倉庫(Coupangの物流サービスなど)売れる商品が見えてから在庫を先に送るため、売れ残りと保管費、返品の扱いが課題になる
Coupangへ卸す(ロケット海外直送)Coupang自社で価格や広告を管理しなくてよい場合買い取り価格の範囲での販売になり、自社の店とは違う

韓国の消費者は配送の速さに慣れているため、韓国の倉庫に在庫を置くメリットはあります。ただし、それが「ロケットグロースでなければならない」という話ではなく、条件が合う物流サービスを選べばよい、というのが現実的な考え方です。出店から配送の流れは、日本からCoupangで売るにはで解説しています。

韓国の倉庫に在庫を置く前の確認リスト

どの物流サービスを使うにしても、入庫の前に次を確認してください。

  1. 日本の事業者が使える条件か:出店形態、法人や口座の要件、対象カテゴリ。公式の案内か、Coupangの窓口に書面で確認する
  2. 料金の内訳:販売手数料のほかに、入出庫、配送、保管、返品の費用があるか。保管料の無料期間やキャンペーンは年度ごとに変わりうるため、適用期間を確認する
  3. 通関の担い手:関税や通関手続きを誰が担当するか。韓国の免税基準を超える場合の扱い(韓国の関税150ドルの基準)
  4. 在庫の止まり方:在庫の入庫が止まったり、販売が停止されたりする条件。韓国では、ロケットグロースの出店者から在庫に関する一方的な通知への不満が増えている、という報道もあります(出典:BizHankook)。事前に条件を確認しておくと安全です
  5. 返品・返金の扱い:返品された商品を誰が引き取り、どこに戻すか
  6. 規制のある商材:化粧品、食品、電気製品などは、韓国側の規制や認証の確認が先に必要になる

利益が残るかは、仮の数字で確かめる

韓国の倉庫に在庫を置くと、日本からの小口発送より送料は下がることがありますが、保管費や入庫の費用が加わります。次は、考え方を示す仮の数字です(実際の料率や送料ではありません)。

項目日本から小口発送(仮)韓国の倉庫に納品(仮)
販売価格3,000円3,000円
販売手数料(仮に10%)300円300円
国際送料(1個あたり)800円300円(まとめて送るため)
韓国内の保管・出荷の費用0円400円
返品・売れ残りの見込み50円150円

この仮の数字では、送料は下がっても、韓国内の費用と売れ残りの見込みで差が縮まります。在庫を移すかどうかは、送料の差だけでなく、売れ残りリスクを含めて判断してください。

よくある失敗

  • 名前が似ている仕組みを混同する:ロケット海外直送の条件を、越境出店やロケットグロースにそのまま当てはめてしまう
  • ネットの料率を信じる:出典のない「平均○%」の数字で、利益計算をしてしまう
  • 売れる前に在庫を送る:検証が済んでいない商品を韓国の倉庫に大量に送り、売れ残りと保管費を抱える
  • 関税と返品を後回しにする:納品後に、通関や返品の費用が想定を超えると分かる

ハシゴロジで対応できる範囲

ハシゴロジの海外EC運用代行では、Coupangの出店支援、商品ページの現地化、運用に加え、国内の倉庫(自社の3PL)での保管・梱包・出荷まで、窓口ひとつでお引き受けします。関税・通関は、提携する通関業者・国際配送会社と連携して進めます。ロケットグロースを含む韓国国内の物流サービスの利用可否や入庫の手続きについては、サイト上で案内している範囲を超えるため、個別にご相談ください。送料・関税・手数料まで含めて、利益が残る価格と出荷の形を設計します。国内ECと越境ECの在庫を同じ倉庫で持つ考え方は、国内ECと越境ECの在庫を一元管理するにはで解説しています。

よくある質問

ロケットグロースは日本の事業者でも使えますか。

確認できた公的・公式の資料では、使えるかどうかは確認できませんでした。越境出店では日本法人と日本の口座で出店できるとされていますが、ロケットグロースの利用条件は、Coupangの公式窓口で確認してください。

ロケットグロースとロケット海外直送は同じですか。

違います。ロケット海外直送は、Coupangが日本の事業者から商品を買い取って売る仕組みです。ロケットグロースは、出店者が自分の店で売る商品の保管や出荷をCoupangに任せる仕組みとして紹介されています。

韓国の倉庫に在庫を置くのは、いつがよいですか。

売れる商品が見えてからがよいです。立ち上げ期は日本から小口発送で売れ行きを確かめ、売れ行きのよい商品に絞って韓国の倉庫に送ると、売れ残りのリスクを抑えられます。

まとめ

  • ロケットグロース、越境出店、ロケット海外直送は別の仕組み。日本の事業者がロケットグロースを使える条件は、公式に確認する
  • 韓国の倉庫に在庫を置くのは、売れる商品が見えてから。送料の差だけでなく、保管費と売れ残りを含めて判断する
  • 入庫の前に、条件・料金の内訳・通関・在庫の止まり方・返品を確認する

韓国向けの出店から物流までをまとめて任せたい場合は、ハシゴロジの海外EC運用代行をご覧ください。ご相談はこちらからどうぞ。

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