「オリジナル商品をECで売りたいが、何から手をつければいいか分からない」。商品開発の流れで迷う方は多いはずです。結論として、ECの商品開発は「市場分析 → 企画 → 仕様づくり → 製造先探しと試作 → 量産 → 販売開始」の順に進め、各段階で『次に進む条件』を決めておくと、手戻りと在庫リスクを減らせます。
この記事では、6つのステップそれぞれで決めること、つまずきやすい点、ECならではの物流・コストの見方を整理します。
全体像:6ステップと「次に進む条件」
最初に、流れと各段階のゴールを一覧にします。
| ステップ | やること | 次に進む条件の例 |
|---|---|---|
| 1. 市場分析 | 競合の販売ページ・レビュー・検索の傾向を調べる | 狙う市場と、既存商品への不満が言葉にできている |
| 2. 企画 | 誰のどんな課題を解くか、価格帯と差別化を決める | 一文でコンセプトを説明でき、想定価格に根拠がある |
| 3. 仕様づくり | 寸法・素材・機能・パッケージを書き出す | 製造先に渡せる仕様書・図面がある |
| 4. 製造先探しと試作 | 見積もり、サンプル確認、改善 | サンプルの確認結果が文書に残っている |
| 5. 量産 | 数量・納期・検品基準を決めて発注する | 初回数量と検品基準に合意している |
| 6. 販売開始 | 商品ページ、撮影、在庫と出荷の段取り | 納品先と出荷体制が決まっている |
実際には行き来が起きます。試作で寸法を変えれば仕様書も直しますし、見積もりが高ければ企画の価格帯を見直します。行き来すること自体は失敗ではなく、確認の順番を決めておくことで、量産後ではなく試作の段階で直せるようにするのが狙いです。
ステップ1:市場分析(作る前に「売れる理由」を探す)
最初に、同じ用途の既存商品がどう売られているかを調べます。
- レビューの不満・要望:低評価のレビューに「サイズが合わない」「すぐ壊れた」といった共通の不満があれば、改善の余地です
- 価格帯の分布:売れている商品がどの価格帯に集まっているか
- 検索のされ方:どんな言葉で探されているか。商品名と、解決したい悩みの言葉の両方を見る
- 販売先のモール:モールによって客層や手数料、物流条件が違う
ここでは、商品を思いつく前に「誰が、何に困っているか」を一文で書ける状態を目指します。アイデア先行で進めると、作ったあとに「売る理由」を探すことになりがちです。
ステップ2:企画(コンセプトと価格を決める)
調べた内容から、次の3点を決めます。
- 誰のどんな課題を解く商品か(ターゲットと課題)
- 既存商品と何が違うか(差別化は1〜2点に絞る)
- いくらで売るか(想定の販売価格)
価格は、売値から逆算して原価の上限を決めると、その後の判断が楽になります。たとえば仮の数字として、売値が3,000円なら、モール手数料・送料・梱包資材・保管料を引いた残りが製造原価に回せる額、という順で考えます。製造原価だけを見て採算を判断すると、売れてから赤字に気づくことがあります。
ステップ3:仕様づくり(製造先に渡せる形にする)
企画を、製造先が見積もれる形に落とします。
- 寸法・重さ・素材・色:分からない部分は「未定」として、製造先に相談してよい
- 機能・品質の基準:どこまでを許容するか
- パッケージ:箱・袋の形、印字、同梱物
- 参考品:近いイメージの既存商品の写真やURL
ここでサイズと重さの確認を忘れないでください。ECでは、サイズや重さが少し変わるだけで送料の区分が変わる場合があります。梱包後の寸法まで含めて、設計の段階で確認しておくと安全です。
ステップ4:製造先探しと試作
仕様ができたら、製造先を探して見積もりを取ります。同じ品目でも、得意な製造先は分かれるので、同じ品目の製造実績がある先を複数当たります。探し方や最小ロットの交渉はOEMは小ロットでも頼める?で詳しく説明しています。
試作(サンプル)では、次を確認します。
- 寸法、色、手触り、強度、においなど、仕様書に書いた項目
- パッケージに入れた状態での寸法と重さ
- 使ってみて気づく不具合
確認した内容は、文書やメールに残してください。 量産後に「サンプルと違う」となったとき、何を基準に話すかが決まるためです。
商品によっては法規制の確認が必要
商品の種類によっては、販売前に守る法律や手続きがあります。たとえば電気用品については、経済産業省の説明によると、製造や輸入を行う場合は事業届出や基準適合の確認、自主検査などが必要とされています。OEMの場合は、製品を供給する側が製造事業者、ブランドを持つ側が販売事業者という整理になるとされています。ほかにも、食品、化粧品、乳幼児向け商品などでは別の決まりがあります。自社の商品が対象かどうかは、商品の種類ごとに所管の官公庁や製造先に早めに確認してください。 企画の段階で調べておくと、後から仕様を変えずに済みます。
ステップ5:量産(数量と検品基準を決める)
量産では、次の3つを事前にすり合わせます。
- 初回の数量:売れ行きが読めないうちは、売り切れる数量から始め、データを見て追加発注するほうが在庫リスクを抑えられる
- 納期:販売開始の日から逆算し、輸送や入庫の日数も含めて余裕を持つ
- 検品基準:どの状態を不良とするか。サンプルで確認した項目を基準にする
小ロットで作る場合は単価が上がりやすいので、初回は利益よりも「売れるかどうかを確かめる」ことを優先する、という考え方もあります。
ステップ6:販売開始(商品ページ・撮影・在庫と出荷)
製造が終わっても、売る準備が整っていなければ販売は始まりません。
- 商品ページ:ステップ1で見つけた不満・要望に答える内容にする
- 撮影:サイズ感や使うシーンが分かる写真を用意する
- 在庫の置き場所:納品先を決めておく。自宅や事務所に置けない数量なら、保管と出荷を任せられる倉庫を探す
- 出荷の段取り:梱包方法、送り状、返品の受け方
販売を始めたあとも、売れ行きやレビューを見て、ページや次の商品に反映します。開発は「販売開始で終わり」ではなく、改善のサイクルの始まりです。
商品開発でよくある失敗
売る理由が決まる前に作り始める
アイデアが先に走り、市場分析を飛ばすと、作ったあとに「誰に売るか」で止まります。ステップ1・2の内容を一文で書けるか、先に確かめてください。
サンプル確認を省いて量産に進む
不良や仕様違いが、そのまま在庫になります。サンプルで確認した項目と結果を残してから量産に進みます。
製造原価だけで採算を見る
送料・梱包資材・保管料・モール手数料・返品対応を含めた「売れたあとの原価」で見ます。
物流を最後に考える
商品が完成してから、送料が高い、箱に入らない、預ける先がない、と気づく例です。仕様づくりの段階で寸法と重さを出荷の条件と照らしておきます。
ハシゴロジで対応できる範囲
ハシゴロジの商品開発支援は、サイトに掲載している範囲で、次の5つの工程を支援します。どの工程からでも依頼でき、部分的なご相談も可能です。
- 市場・データ分析(販売データ、レビュー、検索の傾向の分析)
- 企画・コンセプト(誰のどんな課題を解く商品か、価格帯と差別化の整理)
- 仕様・図面づくり(製造先に渡せる仕様書と図面への落とし込み)
- 製造先探し・試作(見積もり、サンプルの評価と改善)
- 販売開始の準備(商品ページ、撮影、在庫と出荷の段取り)
製造そのものは、条件に合う製造先にお願いします。ハシゴロジは、製造先の探索、仕様のすり合わせ、試作と品質の確認を支援する立場です。3PLを運営する立場から、梱包や配送を含めた原価を設計段階で見積もれる点も特徴です。販売開始後は、3PL(物流代行)や海外EC運用代行と組み合わせて運用までお任せいただけます。
よくある質問
商品開発にどのくらいの期間がかかりますか。
商品の種類や、試作の回数、製造先の状況で大きく変わります。一律の目安は言えないので、販売開始の日から逆算して、各ステップの期間を製造先と確認してください。
アイデアだけでも進められますか。
進められます。何を売りたいか、誰に届けたいかを整理するところから始められます。
一部の工程だけ頼むことはできますか。
できます。ハシゴロジの商品開発支援は、企画だけ、製造先探しだけといった部分的なご相談も受けています。
まとめ
- 流れは「市場分析 → 企画 → 仕様づくり → 製造先探しと試作 → 量産 → 販売開始」の6ステップ
- 各段階に「次に進む条件」を決めると、手戻りを試作の段階で止められる
- 採算は、売値から逆算し、送料・梱包・保管・手数料まで含めて見る
- サイズと重さ、法規制の確認は、仕様づくりの段階で済ませる
どの工程から支援が必要か整理したい方は、ハシゴロジの商品開発支援をご覧ください。無料で相談するからご連絡いただければ、現在の段階に合わせて一緒に整理します。


