1. ホーム
  2. ブログ
  3. 越境ECの在庫管理|国内ECと在庫を一元化する3つの方法と注意点

越境ECの在庫管理|国内ECと在庫を一元化する3つの方法と注意点

この記事を書いた人髙橋 優大株式会社ハシゴロジ 代表取締役

目次
  1. 01在庫が分かれると何が起きるか
  2. 02一元管理の2つの層
  3. 03国内ECと越境ECを同じ倉庫で扱う3つの方法
  4. 04海外に在庫を置く場合の数え方
  5. 05始める前に決めておくこと
  6. 06よくある失敗
  7. 07ハシゴロジで対応できる範囲
  8. 08よくある質問
  9. 09まとめ

国内ECと越境ECの在庫は、同じ倉庫に置いて、ひとつの在庫数で管理するのが基本の考え方です。販売先ごとに在庫を分けると、片方で欠品しているのにもう片方で売れ残る、という状態になりやすいからです。

ただし「一元管理」には、システムでの在庫数の連携と、倉庫での現物の置き方という2つの層があります。この記事では、両方を整理したうえで、国内EC・越境ECを同じ倉庫で扱う方法を3つに分けて、選び方と注意点を説明します。

在庫が分かれると何が起きるか

越境ECを始めた会社で起きやすいのは、次のような状態です。

  • 国内ECの在庫と、海外モール向けの在庫を別々に数えていて、どちらが正しいか分からない
  • 国内で売り切れているのに、海外モールでは売れ残っている(またはその逆)
  • 海外向けの出荷のたびに、国内の倉庫から人が商品を抜いて、別の場所で梱包している
  • 在庫の確認を、国内担当と海外担当がそれぞれの表で行っている

原因は、販売先ごとに在庫の置き場所と数え方が分かれていることです。販売先が増えるほど、数字を合わせる手間が増えます。

一元管理の2つの層

層何をひとつにするか主な手段
数字の層各モール・自社ECに表示する在庫数在庫連携システム、倉庫のWMS(倉庫管理システム)とのAPI・CSV連携
現物の層商品を置く場所と、出荷の窓口国内と海外の出荷を同じ倉庫・同じ在庫から行う

数字だけを連携しても、現物が別々の場所にあれば、棚卸しのたびにずれが出ます。逆に現物が同じ倉庫にあっても、モール側の在庫数が手作業で更新されていれば、売り越しが起きます。両方をそろえて、はじめて一元管理になります。

なお、複数のショップの受注や在庫数をひとつの管理画面にまとめる「EC一元管理システム」は、国内の複数のサービスが提供しています。モールが提供するAPIによる自動連携が中心で、対応していないモールはCSVの取り込みで連携する形が一般的です(参考:ITセレクト、ネットショップ担当者フォーラム)。どのシステムが自社の使うモールに対応しているかは、導入前に各社の公式情報で確認してください。

国内ECと越境ECを同じ倉庫で扱う3つの方法

方法1:国内倉庫からすべて出荷する(日本から直送)

国内の自社EC・国内モールの注文も、海外モールの注文も、日本の同じ倉庫から出荷する方法です。在庫は1か所なので、一元管理がいちばん簡単です。

  • 向いているケース:海外の販売が小さく、まず試したい/在庫を海外に置きたくない
  • 注意点:海外の購入者に届くまで日数がかかる。送料が1件ごとに高くなりやすい。国ごとの小口免税の基準(たとえば韓国は150米ドル以下)を踏まえた価格設計が必要

方法2:国内倉庫に在庫を持ち、売れる商品だけ現地倉庫へ送る

基本は方法1で運用し、売れ行きのよい商品だけを、モールが指定する現地の倉庫にまとめて納品する方法です。国内倉庫が在庫の起点になるので、「どの商品が、どこに、いくつあるか」を国内倉庫のWMSで把握できます。

  • 向いているケース:特定のモール・国で売れ行きが見えてきた/配送の速さで購入率を上げたい
  • 注意点:現地倉庫に送った分は、国内の在庫から外れる。現地倉庫の在庫数も同じ画面で見られるようにしておかないと、一元管理が崩れる。売れ残ったときの引き取りや再配分のルールも先に決めておく

方法3:モールの物流サービスに、国内倉庫から継続的に補充する

Amazon FBAのように、モールの物流サービスに在庫を預ける形です。国内倉庫は、モールへの補充の拠点になります。

  • 向いているケース:特定のモールでの売上が安定し、そのモールの配送サービスを使い続けたい
  • 注意点:モールごとに納品のルール(ラベル、梱包、納品の単位)が違うので、納品作業の手順を先に決める。モールの倉庫に置いた在庫は、国内の在庫とは別に数える必要がある

どれを選ぶかの目安

状況向いている方法
海外の販売をこれから試す方法1(国内倉庫から直送)
特定の国・モールで売れ始めた方法2(売れる商品だけ現地倉庫へ)
特定モールの売上が安定している方法3(モールの物流サービスへ補充)

方法は一度決めたら固定ではありません。多くの会社は、方法1から始めて、売れ行きを見ながら方法2・3へ広げていきます。どの段階でも、国内倉庫を在庫の起点にしておくと、切り替えがしやすくなります。

海外に在庫を置く場合の数え方

国外の倉庫(モールの物流倉庫や現地倉庫)に在庫を送ると、「どこに何個あるか」が一気に分かりにくくなります。在庫を状態ごとに分けて、同じ表で数えると、国外の在庫管理でも数字がずれにくくなります。

在庫の状態意味数え方の注意
国内倉庫の在庫日本の倉庫にある、出荷できる在庫在庫の起点。国内・海外の注文の両方から引き当てる
輸送中の在庫国内倉庫を出て、現地倉庫にまだ着いていない在庫国内在庫から外し、現地倉庫の入庫が確認できるまで別枠で持つ
現地倉庫の在庫モールや現地の倉庫に入庫済みの在庫入庫が反映されるまで日数がかかることがある。国内の在庫と合算して見る
引当て済みの在庫注文が入り、出荷待ちの在庫販売先ごとの「売れる数」から差し引く

欧州など、国をまたいで複数の倉庫に在庫を分ける場合も同じです。倉庫が増えるほど、状態と置き場所の組み合わせが増えるので、国内倉庫を起点にして、置き場所ごとの在庫を同じ商品コードで並べて見られるようにしておきます。国外の在庫を見るための専用システムを入れる前に、まず「商品コードの統一」と「状態の区分」を決めるだけでも、差異は減らせます。

始める前に決めておくこと

在庫を一元管理する前に、次の5点を決めておくと、運用が崩れにくくなります。

  1. 在庫の持ち主を決める:国内用・海外用で在庫を分けるのか、共通在庫にするのか。共通にするなら、海外向けの引当ての優先順位も決める
  2. 商品コードを統一する:国内と海外で別のコードを使っていると、数字が合わなくなる。ひとつのコードに、各モールの商品IDを対応づける
  3. 在庫連携の頻度を決める:売り越しを避けたい商品は、連携の間隔を短くする。モールごとに連携できる頻度は違うので、事前に確認する
  4. 梱包と帳票の違いを洗い出す:海外向けは、インボイスなどの書類、国際配送に耐える梱包、ラベルの言語などが国内と違う場合がある
  5. 返品・返送の扱いを決める:海外からの返品は、返送費用や戻す先で扱いが変わる。最初に方針を決めておく

よくある失敗

  1. システムの連携だけで済ませる:現物が別の場所にあるため、棚卸しで数字が合わない
  2. 海外向け在庫を安全在庫として多く抱える:国内で欠品しているのに、海外用の在庫が動かない。共通在庫にして、引当ての優先順位で調整する
  3. 現地倉庫に一気に送る:売れ行きが見えないうちに大量に送ると、売れ残りを抱える。売れる商品から小さく始める
  4. 国ごとの関税・規制を見ずに在庫を送る:国によって小口免税の基準や、化粧品・食品の規制が違う。出荷前に対象国の制度を確認する
  5. 国内と海外で窓口が別々になる:問い合わせ先が分かれると、在庫の差異や出荷の遅れの原因をたどりにくい

ハシゴロジで対応できる範囲

ハシゴロジは、3PL(物流代行)と海外EC運用代行の両方を提供しています。国内ECの出荷と、海外モールへの納品を、同じ倉庫・同じ在庫で扱うことができます。

  • 国内ECの出荷:自社ECや国内モールの注文を出荷します。出荷作業料は1出荷550円(配送料込み・税抜)から、1個から受け付けています
  • モール指定倉庫への納品:Amazon FBAや、海外モールが指定する国内拠点への納品に対応します
  • 海外モールの運用との連携:Coupang・Shopee・Lazadaなどの販売と在庫を、物流と同じチームで管理します
  • 既存システムとの連携:API・CSVで、いまのカートや受注管理システムに接続します。在庫と出荷の状況は、自社開発のWMSで確認できます
  • 通関手続き:書類の準備と出荷設計はハシゴロジが行い、通関は提携する通関業者・国際配送会社が担当します

国ごとの個別の条件や、利用中のシステムとの連携可否は、内容をうかがったうえで個別に回答します。

関連する記事として、韓国市場の物流と関税はCoupang(クーパン)で売るための始め方、東南アジアのモール選びはShopeeとLazadaの違いも参考にしてください。

よくある質問

国内ECと越境ECの在庫は、必ずひとつにまとめるべきですか。

必須ではありません。海外の販売が少ないうちは、海外向けに分けて持つほうが分かりやすい場合もあります。ただし、販売先が増えるほど数字を合わせる手間が増えるので、増える前に起点となる倉庫を決めておくと切り替えが楽です。

在庫連携システムがあれば、倉庫は分かれていても大丈夫ですか。

数字の上では連携できますが、現物が別の場所にあると、棚卸しの差異や、出荷のための移動の手間が残ります。数字と現物の両方をそろえることをおすすめします。

海外モールへの納品も、国内ECと同じ倉庫から行えますか。

行えます。ハシゴロジでは、Amazon FBAや海外モールが指定する国内拠点への納品に対応しています。モールごとの納品ルールは、事前に確認して作業手順に組み込みます。

海外の倉庫に置いた在庫は、どうやって管理すればよいですか。

国内倉庫の在庫と同じ商品コードで、「国内」「輸送中」「現地倉庫」「引当て済み」の状態ごとに数えるのが基本です。現地倉庫の在庫数はモールや倉庫の画面で確認できる場合が多いので、その数字を国内の在庫と一緒に見られる形に集約します。連携の方法は、使うモールや倉庫によって変わるため、事前に確認してください。

いまの倉庫から、国内・海外をまとめられる倉庫に移せますか。

対応しています。現状の確認から移管計画、在庫の受け入れ、切り替えまでを支援します。進め方は倉庫の移管の記事も参考にしてください。

まとめ

  • 在庫の一元管理には、数字(在庫連携)と現物(倉庫の置き場所)の両方をそろえる必要がある
  • 方法は、国内倉庫から直送、売れる商品だけ現地倉庫へ、モールの物流サービスへ補充の3つ。国内倉庫を起点にして、売れ行きに合わせて広げる
  • 始める前に、在庫の持ち主、商品コード、連携頻度、梱包・帳票、返品の扱いを決めておく

国内ECと越境ECをまとめて扱う倉庫をお探しなら、ハシゴロジの海外EC運用代行にご相談ください。商材と海外販売の状況をうかがい、物流の窓口を含めて進め方をご提案します。ご相談はこちらからどうぞ。

この記事を共有する
ブログ一覧へ戻る 前の記事