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物流業務の可視化の進め方|倉庫の現状を数字で見える化する5ステップ

この記事を書いた人髙橋 優大株式会社ハシゴロジ 代表取締役

目次
  1. 01可視化でわかること、わからないこと
  2. 02可視化の5ステップ
  3. 03ステップ1:目的を決める
  4. 04ステップ2:工程を書き出す
  5. 05ステップ3:測るものを決める
  6. 06ステップ4:データを集める
  7. 07ステップ5:読んで、改善テーマを絞る
  8. 08可視化でよくある失敗
  9. 09ハシゴロジで対応できる範囲
  10. 10よくある質問
  11. 11まとめ

物流業務の可視化は、ツールやシステムを選ぶ前に、「何を、誰の判断のために、数字にするか」を決めるところから始まります。ダッシュボードを先につくっても、見る人が決まっていなければ、数字は眺められるだけで終わります。

この記事では、倉庫や出荷現場の業務を見える化するための進め方を5つのステップに分け、各ステップでやること、よくある失敗、小さく始める方法をまとめます。

可視化でわかること、わからないこと

可視化は、改善そのものではありません。問題のありかを数字で特定し、改善の優先順位をつけるための準備です。

見えるようになること見えるだけでは変わらないこと
どの工程に時間がかかっているかなぜ時間がかかっているか(現場を見て確かめる)
誰・どの時間帯に作業が偏っているか偏りをどう直すか(人員配置・手順の見直し)
在庫や出荷の件数の波波にどう備えるか(シフト・委託範囲)

数字は「どこを見に行くか」を教えてくれます。理由は、実際の作業を見て、担当者に聞かないとわからない場合が多いです。

可視化の5ステップ

ステップやること成果物
1. 目的を決める何のために見える化するかを1行で書く目的と、見る人・判断すること
2. 工程を書き出す入荷から出荷・返品までの流れを描く業務フロー図
3. 測るものを決める工程ごとに、時間・件数・ミスのどれを測るか決める計測項目の一覧
4. 集める実測かシステムの記録から、一定期間のデータを取る数字の表
5. 読んで絞り込む偏りと滞りを見つけ、現場で理由を確かめる改善テーマの優先順位

ステップ1:目的を決める

最初に、次の3点を文章にします。

  • 何に困っているか:出荷が遅れる、残業が多い、在庫が合わない、人によって品質が違う、など
  • 誰が数字を見るか:現場の責任者か、経営層か、委託先との打ち合わせか
  • 数字を見て何を決めるか:人員の増減、レイアウトの変更、システム導入の要否、委託範囲の見直し、など

「全部見えるようにしたい」は目的になりません。困りごとを1つか2つに絞ったほうが、測るものも絞れて、数字が集まるのも早くなります。

ステップ2:工程を書き出す

次に、荷物とデータの流れを、入荷から返品まで順に書き出します。細かい作業手順ではなく、まず工程の大きなつながりを描きます。

  • 入荷・検品・棚入れ
  • 在庫管理・棚卸し
  • 受注の取り込み・出荷指示
  • ピッキング・検品・梱包
  • 出荷・送り状の発行・配送会社への引き渡し
  • 返品・交換

このとき、紙やExcel、口頭のやり取りが挟まる場所に印をつけます。情報が人づてに渡る場所は、遅れや間違いが起きやすく、数字も残りにくいためです。

担当者に「いつもの流れ」を話してもらいながら、実際の作業を横で見て書くと、聞き取りだけでは出てこない手順(例外対応、暗黙のルール)が見つかります。

ステップ3:測るものを決める

工程ごとに、測るものを選びます。多くの現場では、次の3種類で足ります。

種類例
時間入荷から棚入れまでの時間、受注から出荷までの時間、1件あたりの梱包時間
件数・数量日別・時間帯別の出荷件数、入荷件数、返品件数
ミス・やり直し誤出荷、検品での差異、在庫の差異、問い合わせの件数

注意したいのは、測ること自体が負担になって続かなくなることです。最初は、困りごとに直結する2〜3項目に絞ってください。足りなければ後から増やせます。

ステップ4:データを集める

集め方は、現状のシステムの状況で変わります。

  • システムやカートに記録がある場合:受注日時・出荷日時・出荷件数などを書き出して使う。まずここから取ると、現場の負担が小さい
  • 記録がない場合:数日〜2週間ほど、紙の記録票やストップウォッチで実測する。繁忙日と通常日の両方を含めると、波が見える
  • 担当者の感覚と記録が食い違う場合:どちらが正しいかを決めつけず、食い違いそのものを手がかりにする

集めるときに、必ず期間・対象・数え方を揃えておきます。「出荷件数」が、出荷指示の件数なのか、梱包した箱数なのかで、数字の意味が変わるためです。

ステップ5:読んで、改善テーマを絞る

集めた数字は、次の順で見ると整理しやすくなります。

  1. 平均より、ばらつきを見る:平均が普通でも、特定の曜日・時間帯・担当者だけ極端に遅い場合が多いです
  2. 滞っている工程を探す:荷物や情報が溜まっている場所は、前後の工程の能力差を示しています
  3. 現場で理由を確かめる:数字だけで結論を出さず、実際の作業を見て、担当者に聞く
  4. 効果の大きさと手間で並べる:すぐ直せて効果が大きいものから着手する

ここまでできれば、「システムを入れるべきか」「手順を直せば足りるか」「委託したほうがよいか」の判断材料が揃います。

可視化でよくある失敗

ツールを先に決める

数字の取り方を決める前にダッシュボードやBIツールを入れると、見る人も判断も決まらないまま、画面だけが残ります。目的と測る項目が決まってから、必要な道具を選びます。

項目を増やしすぎる

測る項目が多いと、現場の入力負担が増えて、記録が続きません。入力が雑になれば、数字の信頼性も下がります。

現場に目的を伝えない

現場から見ると、計測は「監視されている」と感じやすいものです。何のために測り、結果をどう使うか(個人の評価ではなく、仕組みの改善に使う)を先に伝えておくと、協力が得やすくなります。

数字だけで結論を出す

数字は、問題の場所を示します。原因は、現場を見ないとわからない場合が多いです。ベテランの経験に頼った判断の中にある暗黙のルールは、数字には出ません。

見える化して終わる

見えるようになっても、直す担当と期限が決まっていなければ、何も変わりません。改善テーマごとに、担当者・期限・効果の測り方を決めます。

ハシゴロジで対応できる範囲

ハシゴロジの物流コンサルティングでは、次の内容に対応しています。サイトに掲載している範囲は次のとおりです。

  1. 物流課題の整理:現場ヒアリングと、業務フロー・データの確認から、ボトルネックを特定し、改善テーマに優先順位をつけます
  2. 現場運用の改善:レイアウト、動線、人員配置、標準作業手順を見直し、KPIで効果を確かめながら進めます
  3. システムの選定・開発:WMS・TMSなどの市販システムの比較検討や、既製品が合わない場合のオーダーメイド開発、導入と定着の支援を行います

現場診断のみ、課題の整理のみといった部分的な依頼も可能です。支援の範囲と期間をもとにお見積りします。

よくある質問

何から測ればよいですか。

困りごとに直結する2〜3項目からで十分です。出荷が遅れるなら受注から出荷までの時間、残業が多いなら時間帯別の出荷件数、というように、困りごとから逆算して決めてください。

システムがなくても可視化できますか。

できます。紙の記録票や、Excelへの記録でも始められます。まず小さく測って、足りなくなってからシステムを検討しても遅くありません。

現場の人が忙しくて計測できません。

記録が取れるところから始めてください。受注日時・出荷日時のように、カートやシステムにすでにある記録だけでも、傾向はわかります。手間のかかる計測は、期間を区切って行います。

まとめ

  • 可視化は、目的(何に困り、何を決めるか)を決めてから始める
  • 工程を書き出し、測る項目は2〜3個に絞って、期間と数え方を揃えて集める
  • 数字は問題の場所を示すもの。原因は現場で確かめ、担当と期限を決めて直す

何から手をつけるか整理したい場合は、ハシゴロジの物流コンサルティングで、現場の診断から改善の進め方まで相談できます。ご相談はこちらから、現在の困りごとと拠点の状況をお知らせください。

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